「ヘッドライト早期点灯研究所」は、早期点灯の実施に役立つ情報の調査を行うチームです。今回は夕暮れ時の「視認性」についてフォーカスします。夕暮れ時に「自動車から見た歩行者・自転車の見え方」、「歩行者・自転車から見た自動車の見え方」について、先日行われた夕方安全創造会議にも参加いただいた日本高視認性安全服研究所(以下、JAVISA)と共同で実験コースを使った視認性の実験を行いました。
実験は以下の条件のもと、行われました。
道路:直線250m、幅17.3m(車道 7.1m×2 歩道 1.55m×2)
天候:曇
実験タイミング:日の入り60分前・30分前・直後・20分後・30分後(それぞれヘッドライトの点灯あり・なしで実施)
自動車:直線250mのコースを時速60kmで走行
自転車:自動車走行スタート時に、カメラ2の地点から100m・50mの場所から走行
歩行者: 2名は道路を横断・2名は道路作業員を想定し直立
まずは、クルマの視点から見た「歩行者・自転車」を見てみましょう。
歩行者・自転車がいる先は森がある環境のため、日の入り60分前から30分前にかけて、
暗い色の服装を着ていた「歩行者F・D」がこの段階で見えにくくなっていることがわかります。
環境によっては日の入り前でも気づかれにくくなる可能性があることがわかります。
日の入り直後になると暗い服装の歩行者・自転車はより見えにくくなります。
一方、反射材を身に着けている「歩行者A」がヘッドライト点灯ありの状態で見ると
より気づきやすくなります。日の入り前より目立っていますが、より認識しやすくなることがわかります。
日の入り20分を過ぎると急激に周囲が暗くなります。
運転中で気づいたら暗くなっていた。という事になる前に早目にヘッドライトをつけることで歩行者側も
自身のクルマの存在に気付いてもらえることになるのではないでしょうか。
また明るい色の服装、反射材はヘッドライトを点灯することでより認識しやすくなります。
よって明るい色の服装と反射材の活用は効果があることがわかります。
次には、歩行者・自転車の視点から見た「クルマ」を見てみましょう。
日の入り60分前から30分にかけて少し暗くなっていることがわかります。
自動車の存在はヘッドライトの点灯有無で大きく変わります。
よって、日の入り30分前のヘッドライト点灯は自車の存在に気付いてもらえる、「見られるための光」となることがわかります。
写真の撮影を行っているタイミングでは自転車は少し遠い場所にありますが、
自転車のライトの点灯有無も気づきやすくなります。
自転車のライトもクルマのヘッドライトと同様に、早目に点灯することで
存在に気付いてもらえる、「見られるための光」になることがわかります。
また、この視点から見ると、日の入り後は暗い服装の人だけではなく、明るい服装の人も見えにくくなっています。反射材の着用は自身に気付いてもらいやすくなるのにより有効になるのではないかと思われます。
今回は実験の写真を見比べることで「クルマ」「歩行者・自転車」それぞれの視点で見た印象を比較することができました。
自動車はヘッドライト・自転車はライトの点灯、反射材や黄色、白といった見られやすい色のもの(サムシングイエロー)をみにつけることで、自身に気付いてもらうための「見られるための光」となる効果があることが写真を見比べることでわかりました。
今回の実験では、見られやすくするための重要さをより探るため、更にこの結果を視覚の視点で解析も行いました。
その様子は次回のレポートでご紹介します。
> 実験を元に視線解析を行った結果はこちら
クルマを運転する方はオートライトの活用と早めのヘッドライト点灯、
歩行者、自転車の方は明るい色の服装や反射材の着用を実践してみませんか?
ライト点灯していないと、車に気がつきにくいのが分かりやすいですね。服も白っぽい方がよいと良くわかりました。黒っぽいと背景と同化してしまうのですね