宮城県石巻市での訪問取材とイベント参加を終えた翌日は仙台に向かいました。ここには、東北地方で広く読まれている日刊紙・河北新報さんの本社があり、ライティングガールが取材を受けることになっていたからです。
前日に行われたグリーンドリンクス石巻のようなイベントに参加することで、地域の方々と直接コミニケーションして、おもいやりライトを深く理解してもらう機会も貴重ではありますが、メディアの力をお借りできれば、もっともっと多くの方におもいやりライト運動を知ってもらうことができます。せっかく東北を訪問しているこのタイミングで、私たちが被災地にこそ必須だと感じているヘッドライト早期点灯や明るい衣服の着用を、地域の方々に促してくださるメディアさんはいないだろうか? そんな願いに快く協力してくださったのが、河北新報社さんだったのです。丁寧にご取材くださり、取材の翌朝にはばっちりポージングを決めたライティング・ガールの写真が、おもいやりリライト運動を伝える記事とともに誌面を飾りました。
地元メディアとして、震災直後からその被害を伝え続けている河北新報の本社ロビーには、これまで報道カメラマンが撮影してきた、震災直後の痛々しい様子を伝える冊子も置かれていました。中には、前日に訪問した「巻.com」のオフィスのすぐ目の前まで、津波によって漁船が押し流されてきている写真もありました。
取材後の歓談の際、ご対応くださった記者さんが「みんな、疲れているんですよね。」と、一言おっしゃったのが忘れられません。首都圏からやってきた我々には、震災後の傷跡から抜け出し、復興を実現させてきている地元の方のたくましく眩しい姿が目に入るばかりでしたが、地元で取材活動を続ける記者さんは、被災された方々の心の奥まで汲み取っていらっしゃるのです。被災された方々は、震災の直後から時間の経過とともに様々な問題に対面し、その都度、状況に応じて解決し続けてきているのでしょう。大切な人を亡くしたショックを抱えている方も多いはず。まだ癒えない傷がありながらも、未来に向けて頑張ってしくしかない。そんな毎日を送るなかで、みなさんのこころにはいつしか重たい疲労が蓄積されているようだというのです。
気持ちが沈んでいる方に対しては、なかなか「誰かのために「おもいやり」の心を持って」なんて安易には言えないものです。今も被災地で、自らと地域の再建に力を尽くしていらっしゃる方々には、ヘッドライトの早期点灯を習慣化することを、「誰かのために」とはいいません。どうか、お仕事や行楽から家路を急ぐ夕暮れ時に、ご自身の安全を守るためのヘッドライトを照らし、クルマの存在を周囲に知らせる一工夫を習慣にしてください。