トピックス

ニュース

2014年10月22日

おもいやりライト運動「夕方安全創造会議2014」開催レポート

 

さわやかな秋晴れの9月19日、おもいやりライト運動の秋の大イベント「夕方安全創造会議2014」を開催しました。
2年目の開催となる今年は約200名もの方々にご参加いただき、会場となった横浜みなとみらいにある日産自動車グローバル本社がいつもとはひと味違う賑わいを見せました。

今回のメインコンテンツは、「ソーシャルデザインで「交通安全」を変える!」と題したゲストスピーカーとのクロストークと、「16時になったら、皆が一斉にヘッドライトを点灯するようになる面白い仕組み」を、約200名の参加者がそれぞれ考えるワークショップ。いままでにない交通安全の取り組みを行う「おもいやりライト運動」の未来を、参加したひとりひとりが楽しみになるような場を持つことができました。

未来型交通安全を考えるクロストーク

交通安全に対する印象として、吉田由美さんは「もちろん、皆がその必要性を感じているのに、真面目で固くてお金にならないという、ポジティブな面とネガティブな面がある」と指摘します。だからこそ、クロストークのテーマである「ソーシャルデザイン」という視点が必要です。ソーシャルデザインとは、交通安全・少子高齢化・地方の中心市街地の衰退などといった社会課題を、多種多様な人々の心に訴えて行動を促すムーブメントをデザインすること。

上田壮一さんが関わる活動の事例として、トヨタ自動車のCSV活動(Creating Shared Value 、共同価値の創造ともいわれ、企業による経済利益活動と社会的価値の創出(=社会課題の解決)を両立させること) 「AQUA SOCIAL FES!!」は、企業が主導するソーシャルデザインの先進事例として知られています。海や川、そして水辺の自然を守る活動を、地元NPO、学校、トヨタ自動車の販売店、新聞社など、様々な人と日本各地で展開しています。ソーシャルデザインの手法で行われるCSV活動ということで、おもいやりライト運動とも共通点が多い活動ですが、企業が事業を営む地域社会の経済条件や社会状況を改善しながら、みずからの競争力を高める方針とその実行と定義されるCSV活動において期待される本業における経済効果は実感できているのでしょうか。上田さんは「因果関係を明らかにすることは難しいが、無いとは言い切れない」と語ります。トヨタ自動車としても、実験的なプロジェクトという位置づけで、こうした活動を通じて何が起きるのかということを、注意深く観察している段階だそうです。活動の成果には、もちろん活動の主目的である水辺の環境改善があげられますが、販売店の営業がAQUAの活動に参加することで、顧客との会話が広がったり、NPOの呼びかけだけでは若者の参加が少なかった活動に、企業のネームバリューが入ることで雰囲気が変化して、一気に若者が参加するようになるという効果もあるそうです。

企業・競合・業界団体、さまざまな枠を飛び越えて社会をチェンジ

市川博久さんは経営コンサルティングを行う企業内で、本業とバッティングするとされがちな若者の就労機会の創出を、CSV活動として立ち上げました。市川さんは「本業の収益性がそこなわれれば、CSV活動も収縮してしまう。目先のマーケットではしのぎを削りつつも、社会の持続可能性を考えていくと、競合同士であっても一緒に取り組んでいく必要がある」と語ります。夕方安全創造会議の会場である日産自動車グローバル本社で、日産の競合他社である「トヨタ」が推進するCSV活動を紹介したことにも、市川さんと同じ想いがありました。おもいやりライト運動は、目指している方向が同じなのであれば、業界団体や企業の枠を超えて協同していきたいと考えているのです。

地域の人、クリエイター、顧客、企業。さまざまな立場の人が協同して社会を動かしていく活動がソーシャルデザインです。しかし、その取り組みはまだまだ実験段階にあると言えるのでしょう。
「やるぞと表明すると仲間ができて、ワクワクしながら行動していると、チームにリズムができる。それを社会のリズムにしていく。ソーシャルデザインは社会に新しいリズムを奏でる動きだ。企業や業界団体の枠を超えて同じリズムを奏でることができたら、世界に発信していける」
モデレーターの山名がクロストークを締めくくった言葉にも、ソーシャルデザインとして未来型の交通安全を広げていくヒントが隠されているようです。

「いい点灯」のアイディアを出し合うワークショップ

おもいやりライト運動が開催する会議では恒例の、アイディア出しのワークショップ。今回のテーマは「16時になったら、自分も皆も一斉にヘッドライトを点灯するようになる、何か面白い仕組み」でした。前半のクロストークの熱が参加者ひとりひとりに伝わったのか、会議室内には話し合う声が響き、いつもよりもずっと活発な意見交換が行われていました。
飛び出したアイディアも、おもいやりライト×横浜から発想して、往年の名曲「ブルー・ライト・ヨコハマ」の替え歌を作ってみたら? など、これまでにない新しい視点のあるものが多かったように思います。このワークショップ、おもいやりライト運動に参加してくださる多種多様な企業や団体の方々同士が、よいコミニケーションを生み出すきっかけにもなってくれています。企業や団体の「枠を超える」瞬間というのは、もしかしたらこういう時に生まれているのかもしれません。

おもいやりライト運動では、夕方安全創造会議を終えて11月10日の「いい点灯の日」を迎えるまでの期間を、「いい点灯促進月間」と定めました。このワークショップで出されたアイディアは、参加者それぞれが持ち帰り、早期点灯アクションにつなげてくれることでしょう。アクションの様子は特設ページでご紹介するほか、自身のアイディアも書き込めるようになっています。

特設ページ→http://www.omoiyari-light.com/1110

11.10いい点灯の日には、16時の一斉ライトオンにぜひご参加を!

会議の後に行われた交流パーティーでは、おもいやりライト運動の海外への展開を期待させてもらえるような発言が飛び出したりもしていました。人と人とのつながりから、新しい展開が生んできたおもいやりライト。来年はさらなる急展開を迎えることになるやもしれません。

この他にも、公益財団法人交通事故総合分析センター(イタルダ)の沼尻到(ぬまじり・いたる)さんが登壇し、「イタルダの到(いたる)だぁ~」という茶目っ気たっぷりな挨拶で始まった、「危険な薄暮時間帯」についてのプレゼンテーションや、北里大学医療衛生学部の川守田拓志先生による「夕方の視覚に関する実証実験案」発表、一般社団法人日本高視認性安全服研究所の吉井秀雄さんによるプレゼンテーション「“高視認性安全服の着用”と“おもいやりライト”でシナジーを!」などが行われ、想いも内容もたっぷり詰まった2時間になりました。

そして、今年もまもなく「11.10 いい点灯の日」がやってきます。夕方安全創造会議のワークショップで飛び出したアイディアが、さっそく実現するかも!? 16時にヘッドライトを一斉に点灯する「おもいやりライトアクション」に、ぜひ皆さんもご参加ください!

いかがでしたか?もしよければシェアして早期点灯の話題を広めてみませんか?

カテゴリ

最新トピックス

月別リスト

ライター別一覧

おすすめトピックス