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2014年10月17日

『夕暮れ時の視認性について』実験第2弾を行いました!

 

2013年9月に行った『夕暮れ時の視認性について』の実証実験を元に、さらにリアルな環境での見え方は一体どうなっているのか?を探るため、おもいやりライト運動事務局は、一般社団法人 高視認性安全服研究所(JAVISA)とコラボレーション実験を行いました。
この実験では、夕暮れ時のヘッドライト点灯有無の環境下で、ドライバーから衣服の色の見え方がどのように異なるのか、さらに歩行者からクルマの接近はどのように見えるのかについて時間ごとに撮影を実施しました。
今回、モータージャーナリストの青山義明氏にご協力いただき、実験で登場するクルマを運転しながら、ドライバーからどう見えたのか?の視点で、実証実験の様子をレポートで頂きました。

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 一般社団法人高視認性安全服研究所(JAVISA)と「おもいやりライト運動事務局」のコラボレーション企画で、衣服の色の違いによる視認性を実際に検証してみるという実験に、車内からの見え方を再現する撮影車両の運転手として参加してきました。

 実験の場所は、日本自動車研究所(JARI)のテストコースです。JARIのテストコースというとオーバルの高速周回路を思い浮かべる方が多いかと思いますが、それとは違う、模擬市街路という一般道をイメージしたテストコースです。片側2車線の信号のある交差点を中心としたコースです。街灯はないので、夜間はヘッドライトだけが頼り、という状況で走行することが可能です。

昼間・薄暮・夜間の3つの状況下での視認性の違いを確認

 まぁ、クルマ好きで、自動車雑誌や自動車関連サイトを頻繁に見ている方なら「夜間の外出時には明るめの服を着ましょう」なんて話を読んだり聞いたりしたこともあるでしょう。自分たちの間でもそれは常識、みたいな感じで認識としてはありました。しかし、実際に全く同じシチュエーションで比較として歩行者を見たことがなかったので、確証というものがなかったのも事実です。

 この実験は昼間の走行風景の撮影から始まりました。実験は、それぞれ色の異なる作業服、そして蛍光色&反射材を使用した作業服やベストを装着して、昼間、夕暮れ時、夜間と、実際にどのように違って見えるものなのかを確認するものです。ですので、同じ状況の走行を時間帯別に何度も収録するという作業です。

 路上に作業服を着たモデルさんたちが横一列で立っています。作業服というのは、ベージュやグレー、そして紺色など、小売店で入手しやすい、よくある作業服です。巡航速度60㎞/hほどでコースに入ります。約300m手前でモデルさんたちが並んでいるのが見えますが、高速道路でもない限り、300mも先を常に見ていることはあまりないので、通常の運転ですと150mほど手前で路上に人がいることが認識できるくらいだと思います。

 この日は終日曇りということで、晴天時と比較すれば、歩行者を識別しづらい天候でした。150mポイントからは、紺色の作業服のスタッフは認識がしづらいのがわかります。やはり普段から明るめの服を着ていたほうがドライバーから認識されやすいんだな、ということは実感できました。また一緒に並んでいる蛍光色の作業服を着ているモデルさんのほうが断然認識の度合いは上がります。もっと手前から人がいることが認識できますからね。上下蛍光色の作業服でなくても、蛍光色のベストを羽織るというのでも構わないので、着用すべきだと実感しました。

夜間の認識性、甘く見てました!

 続いて夕暮れ時、そして夜間にも同じように4人のモデルさんに立ってもらいました。するとどうでしょう。直前まで近づかなければわからなかった紺色の作業服のモデルさんだけでなく、グレーやベージュの作業服のモデルさんもずいぶんと距離が縮まらなければほとんど認識ができません。夜間の外出時に明るい服だけじゃ足りないって強く実感しました。明るめの服を着用すべき、というような文章を書き散らかしてきたことを現在猛省しまくっています。

 やはり蛍光色の作業服の効果は絶大ですね。もちろん昼間よりも認識できる距離は大きく縮まってきますが、ヘッドライトをハイビームにすれば反射材がヘッドライトの光を反射してくれて300m手前でも路上に人がいることがしっかりと認識ができます。その重要性をここで再認識しました。ありきたりの結果、と思われそうですが、明るい色の普通の服がここまで見えなくなるものか、と認識を新たにするほどの結果でした。

 実は恥ずかしながら、ずいぶん前のことになりますが、夜間に高校生の乗った無灯火の自転車と接触事故を起こしたことがあります。双方にケガはなかったのですが、やはり相手を認識できなければ事故につながるのだな、と今さらながら思い返しました。歩行者の時も運転をしているときも、ついつい相手が避けてくれるだろう、と思いがちですが、そもそも相手に認識されることが大事。もちろん蛍光色の服や反射テープはちょっと大げさかもしれません。ただ、この季節、秋らしいシックなカラーのファッションを楽しみつつ、反射材のひとつでも身に着けるなどして視認性を高めておくべきだなと実感しました。

最後の夜間の走行実験が終わった時には「事故がなくてよかったですねぇ」と、ステ
アリングを握っている自分はもちろん、同乗しているビデオとスチールのカメラマン
ともども、胸をなでおろしました。もちろん十分に安全に配慮し、事故が起きること
はあり得ないわけですが、「誤って人を轢いてしまうんじゃないか」って車内の誰も
が心の中で思っていました。300m先に歩行者がいるのに走行中の車内にいる我々の
肉眼では確認できないわけですからね。私も含め、車内にいたスタッフは以前にも増
して「おもいやりライト」を心掛け、完全遂行していますよ。皆さんも機会があれ
ば、ぜひ我々が"寿命が縮む"思いで実験した結果をご覧いただければと思います。

●青山義明(アオヤマ・ヨシアキ)
1969年4月愛知生まれ、横浜在住
学生時代は日本画家になることを夢見ていたものの断念。なんとなく自動車雑誌の編
集者になるのもいいんじゃないかということで、大学卒業後に雑誌編集者業界に入
る。編集プロダクションをいくつか流れ流れて、いつの間にかフリーランスのモー
ターフォトライターになってしまう。現在は電気自動車や燃料電池車の取材やモー
タースポーツ取材を中心にWEBサイトや自動車雑誌で記事制作中。
http://ecocar-asia.cocolog-nifty.com/blog/?optimized=0

今回行った実験結果などについては、ヘッドライト早期点灯研究所及びプレスリリースでも、今後発表を行う予定です。こちらの結果もお楽しみに!

いかがでしたか?もしよければシェアして早期点灯の話題を広めてみませんか?

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