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2015年03月19日

おもいやりライト座談会|ヘッドライトってどうして点けるの?

 

ヘッドライトの早期点灯には「自分だけ早く点けるのは恥ずかしい」「周りのクルマにライトが点きっぱなしだよとパッシングされてしまう」「まだ周囲が見える時間になぜライト点灯が必要なのか?」と、おもいやりライト事務局には日々、様々な意見が寄せられています。だれもが一度は首を傾げるそうした基本的な疑問に、この際まとめて応えようと、はじめての座談会を企画しました。

これから免許取得を目指すはまっ子女子大生のカトレナちゃんこと加藤玲菜さんから繰り出されるヘッドライトにまつわる素朴な疑問に、ベテランドライバーでモータージャーナリストの中村孝仁さんとライティングガールが応えます。司会役にはっモータージャーナリストの工藤貴宏さんにご協力いただきました。クルマを運転したことがないカトレナちゃんも納得してくれた、ヘッドライト早期点灯の大切さ。ベテランドライバーにも初心者ドライバーの方にも、改めてお伝えしたい内容が盛りだくさんです。

[座談会参加者]

加藤玲菜:1994年生まれ。神奈川県横浜市出身。
フェリス女学院大学音楽学部演奏学科声楽専攻在学中。4歳から10歳までクラシックバレエを習う。大学入学と同時に復帰。5歳からピアノをはじめる。声楽を14歳からはじめる。笠間真理子、神谷明美、土屋広次郎各氏に師事。ブライダル聖歌隊ソリスト。横浜市開港祭親善大使任命。サマソニガール任命。ユーストリーム番組「はまっこストリーム」メインMC。趣味はジャズダンス、ヒップホップ、舞台鑑賞、読書。ニックネームは「カトレナ」。

中村孝仁さん:1952年8月東京生まれ、神奈川在住。
幼くして自動車に目覚め、4歳の時にはモーターマガジンの誌面をかざる。免許取得後、大学時代に、当時解禁されたばかりの並行輸入スーパーカーショップでバイトをし、フェラーリ、ランボルギーニ、さらにはディトナコブラなどをドライブ。また、ノバ・エンジニアリングで『黒い稲妻』のニックネームを持っていた桑島正美選手の丁稚メカニックとして働いた経験を持つ。その後渡独。2年半に渡りドイツで多くの自動車ミュージアムを見て回り、渡独中の1977年からフリーモータージャーナリストとしての活動を開始、今日に至る。モータージャーナリスト歴34年目に突入。

工藤貴宏さん:1976年2月長野生まれ、東京在住
物心ついた時からクルマに興味を持ち、中学生の時には自動車雑誌の読み漁りを開始。18歳の誕生日を迎えた翌日に仮免許を取得し、クルマを運転する悦びにドップリと浸かっていく。大学時代に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけとし、自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターへ。自動車雑誌やWEBで新車紹介記事を中心に活躍中。はじめて所有したクルマはS13型シルビア。

ライティングガール:おもいやりライト運動の伝道者です! ライティングガールプロジェクト

自動車のヘッドライトは何のためにあるの?

    工藤:カトレナちゃんはまだ運転免許を持っていないんだよね。
       ヘッドライトを暗くなる前に早めに点けることについてどう思う?

    カトレナ:そもそも、どうしてヘッドライトを点けるのかを
       教えていただきたいです。

    中村:そうだね。例えば、街灯のない田舎道で真っ暗な中、
       自転車に乗っていたら、怖くない?

    カトレナ:怖いです。

    中村:そうだよね。ドブがあったら落ちちゃうかもしれないし。
       どこに何があるかを見るためにもヘッドライトを点けなくちゃね。

    カトレナ:やっぱり自分の安全を守るために?

    中村:そう、それに、自分のためだけではダメだよね?
       周囲にいる人や動物にも配慮をしなければいけないでしょう?

    カトレナ:周りの人にとっても大事なんですか?

    ライティングガール:そうそう、自分は周りを見えていたとしても、
       他の人がそうとは限らないですよね。
       自分が運転するクルマの存在に気がついてもらえていないかもしれない。
       だから、見えていない人に自分の存在を示さなくてはいけなくて、
       ヘッドライトを点けるということは、自分がここにいますよと
       アピールする手段でもあるんです。例えば私みたいに(笑)
       だから、「おもいやり」ライトなんですよ。

    カトレナ:なるほど、自分のクルマの存在を確認してもらうために…

    中村:自分1人で生きているわけではないからね、
       周りの人のことも考えなくちゃ。
       日照時間の短いヨーロッパでは、
       法令で明るい時間からヘッドライトを点けている国もあります。
       それくらいでもいいんですよ。

ヘッドライトを点けていると、ガソリンがもったいない?

    カトレナ:え? でもそうすると、
       燃費がばかにならないのでは…

    ライティングガール:年配の方の中にも同じ心配をして、
       ガソリンがもったいないからヘッドライトを消す、
       と仰る方が結構いらっしゃいますね。
       これって車種によるのでしょうか?

    中村:自動車には必ず発電機が付いているんですが、
       昔と今では性能が違うんですよ。
       昔は効率の悪い「ダイナモ」っていう直流の発電機しか付いていなかったの。
       だからヘッドライトをつけると負担が増えて燃費が悪くなったりしていたのも事実。
       だけど今は効率のいい交流発電機ですし、ヘッドライト点灯による
       燃費のロスなんて、気にしなくてもいいレベルなんです。

    カトレナ:なるほど、そうなんですね。
       でも、いくら性能が良くなって燃費が大丈夫といったって、
       ヘッドライトを点けっぱなしにしちゃったら、
       クルマが壊れたりはしないんですか?

    中村:もちろん機械には寿命がありますから、使えば消耗します。
       だけれど、技術が進歩して昔のものよりもずっと耐久力があがって、
       寿命が長くなっていますし、消費電力も少なくなってきています。
       どんどんいい方向になっているから、
       それを気にする必要はもうすでに無いと思いますよ。
       ライトでも、消費電力の少ないLEDを使っている
       クルマもどんどん出てきていますし。

    カトレナ:寿命が長いっていうのはいいですね。

    工藤:周りの人に存在を知らせる「おもいやり」のために
       ヘッドライトを早めに点灯するのと、
       実質的にはデメリットをなんて考えなくてもいいレベルの
       燃費やクルマの寿命を気にして点けないでいるのと、
       カトレナちゃんだったら、どっちがいいと思う?

    カトレナ:今の時代だったら、やっぱり「おもいやり」です!

ヘッドライトを早めに点けるのって、ちょっと抵抗ある?

    カトレナ:でも、周りのクルマがヘッドライトを点けていないのに、
       自分だけ点けるのは、ちょっとなぁ〜

    中村:それを気にしている人はいるね。
       ヘッドライトを点けていたら、対向車から
       「お前のクルマ、ヘッドライト点いているよ」
       って、パッシングで合図されることって時々あるね。

    カトレナ:それはトラウマになりますよね…

    中村:でも、どんなものにも初めての人っているわけじゃない?
       例えば初めてミニスカートを履いた人って、すごいでしょう?

    カトレナ:ミニスカートがお好きなんですね(笑)

    中村:おじさんだもん(笑)
       初めてのファッションに挑戦するのって、勇気がいるから、
       人の目を気にするけれど、それと同じことだと思うんですよ。
       でもいずれは皆がやるんだから。
       自分がパイオニアになればいいんだと。

    カトレナ:そうか、私はパイオニアだと思って
       ヘッドライトを点けたらいいんですね! なるほど!

    ライティングガール:大学で学生さん達に話を聞いたら、
       皆、暗くならないとヘッドライトを点けないとっていました。
       「なんで? もっと明るい時に点けたらいいじゃん!」って言ったら、
       「免許を取ったばかりだし、皆より先に点けるのはちょっと恥ずかしい」
       と言う学生さんが多かったんです。
       で、やっぱりパッシングされたりして、なんだか自分が
       悪いように思っちゃうから、自信が無いから点けないって。

    中村:パッシングをする人ってね、九分九厘、
       俺より年上くらいのおじちゃんなんだよね。
       ヘッドライトを点けていると燃費が悪くなるクルマに
       乗っていた世代の人達。
       だから親切で教えてあげているという発想で、
       パッシングをするんですよ。

    カトレナ:そうか! ヘッドライトを早く点けたがらない人達って、
       昔のクルマに乗っていたおじさん達なんですね。
       それで人生の先輩的に教えてあげようと…

    中村:そうそう、だから余計に免許を取ったばかりの人は、
       そういうおじさん達からパッシングされると、
       「あ、点けたらいけないのかな?」と思っちゃうかも
       しれないんだけれど、そうではないんですよ。
       今は暗くなると勝手にヘッドライトが点灯する、
       オートライトを搭載しているクルマもあって、
       メーカーによってはうんと早くヘッドライトが点灯
       するクルマがあります。

    カトレナ:そうなんですね!
       ヘッドライトを早く点灯しているほうが、
       新しくてカッコいいんだ!

    工藤:そうですね。カトレナちゃん、
       免許を取ったら、早めの点灯を習慣にしてね。

ヘッドライトを点けるタイミングっていつ?

    カトレナ:ヘッドライト、早めに点けるようにしますね!
       でも、ヘッドライトっていつ点けたらいいのかな?、
       「夕暮れ時に早めに」って、具体的には何時ごろですか?
       日が暮れたぐらいがいいのかな?

    ライティングガール:統計的には交通事故が最も起りやすい時間帯は、日没前後なんです。
       だから、ヘッドライトをちょっと早めに点けたら、
       事故を減らせるかもってことで、
       日の入り30分前に点灯しましょうと呼びかけてます。

    カトレナ:日没前後なんですね!
       え、でも日没って何時でしたっけ??

    中村:季節によって変わりますよね。
       冬は5時でも暗いし、真夏は7時でも明るいし。
       一概には何時って言えないんですよ。

    カトレナ:それじゃわかりづらいなぁ〜。どうしよう。

    工藤:そうだよね、今日の日没の時間をちゃんと調べて、
       「よし、今日は何時何分にヘッドライトを点けるぞ!」
       なんて、毎日やろうと思わないからね。

    中村:自分なりに目安を作っておいたらいいかもね。

    ライティングガール:西日が眩しくなって、クルマのサンバイザーを
       下ろすタイミングってありますよね?
       その時間帯は実は周囲はもう暗いので、
       ヘッドライトを点け始めてもいいのでは?
       という話はあります。

    カトレナ:あ、たとえば、日没30分前を教えてくれる
       携帯アプリがあったらいいんじゃないですか?!

    中村:あ、それいいね、日没30分前になると
       「ぴんぽ〜ん」と鳴ったりしてね。

    カトレナ:アプリが計算してくれたら分かりやすいですね。

    工藤:そうだよね。でも、雨や曇り空のときはどうしたら?
       見えづらくなったら、早めに点けなくてはいけないよね。
  
    ライティングガール:そうなんですよね。むずかしくて。
       日の入り30分前というのも、晴天の時の、
       ヘッドライト点灯時間の目安なんです。

    カトレナ:天気予報と連動できたらいいのかなぁ。
       誰かアプリを作ってくれないかな。

    工藤:カトレナちゃんが頼んだら、だれかが作ってくれるよ(笑)

    ライティングガール:誰かが「作るよ!」って手を挙げてくれる事を期待したいですね!

    工藤:(笑)さて、今日の座談会はどうでしたか?

    カトレナ:交通事故って、本当に怖いですよね。
       自分ができるちょっとしたこと、
       ヘッドライトを早めに点けて交通事故を避けられるかもしれないなら、
       パイオニアになって、自分からヘッドライトを点けるぞ! と思いました。
       免許を取ってからが楽しみです。


                (おしまい)

※この記事は クリッカー 「ヘッドライトの早め点灯とミニスカ―トの意外な関係は?」にも紹介されています。
http://clicccar.com/2015/03/23/299474/

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