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2017年03月13日

県警と大学のタッグですすめる、新しい交通安全運動の姿

 

県警とコラボで交通安全プロジェクトをおこなっている大学の研究室がある。そんな情報をキャッチしたおもいやりライトプロジェクトは、国境(県境)の長いトンネルを抜けて新潟へ向かいました。
新潟でおもいやりライトを迎えてくれたのは新潟大学人文社会教育科学系の村山敏夫准教授と一緒に研究をしている学生の皆さん(佐々木雅咲子さん、大島卓馬さん、坂口雄介さん、石附空美さん)、そして新潟県警本部交通部交通企画課の羽豆元一さん、工藤紀行さん、笠原亜弥子さん、奥田香織さん、西原大次郎さん。まずはそれぞれの活動についてプレゼンテーションし、理解を深めました。

新潟大学 教育学部 保健体育・スポーツ科学講座 村山敏夫准教授

Niigata University Traffic safety Supporters(通称:NUTS【ナッツ】)

新潟大学で村山准教授がおこなっている活動の特徴のひとつが、学生と県警本部のジョイントにあります。新潟県警が2016年6月15日、「高齢者交通安全サポーター」として新潟大学の学生有志を任命しました。学生が若く柔らかい感覚で交通安全運動をおこなうことや警察が知識と経験を生かした活動をおこなうことは珍しくありませんが、両者が密に結びついて活動する例はきわめて珍しいと言えます。
さて、新潟大学と新潟県警のコラボで具体的にどんな活動をしているかといえば高齢者の歩行中の事故防止。特に横断中にクルマに轢かれる事故を減らす研究と活動をおこなっています。

高齢者は横断中の、渡りきる前の事故が多い

新潟県でも高齢者の事故がなかなか減らず、その内訳を分析すると道路横断中の事故が多いことが分かりました。なかでも、もう少しで道路を渡りきるという段階で事故にあうことが多いことも判明。その理由を考えることから活動はスタートしたそうです。
研究の結果、原因として「自分ではクルマが来る前に道路を渡りきれると思っていても、実際には渡り切れなかった」というケースが多いことが浮かび上がり、その対策としてまず高齢者に自分の運動能力を理解していただき、同時に健康状態をよくするためのトレーニングも進めています。
また、シミュレーターによる確認の結果、道路横断前の左右確認の丁寧さで事故にあう確率に差がつくこともわかりました。とうぜんしっかり確認する人は事故にあいにくく、左右を見る角度によってもその確率が変化するということが判明。しっかりと左右を確認するよう心がけるのはもちろん、深い角度まで確認できるように身体能力を高めることも重要という研究結果を出しています。
事故を分析するだけでなく、事故にあわないために健康トレーニングも推進する。そんな保健体育分野の視点から交通安全を進めているのも新しい取り組みだと感じました。

重点課題は高齢者の事故防止

新潟県警からは新潟県の高齢者事故について詳細な報告がありました。道路横断中に事故で死亡した高齢者のうち右から左への横断者は78%、夜間に限って言えば88%と高い割合であること。つまり道路横断中は半分以上渡ってから轢かれることが多いということです。ここに着目したのが新潟大学の活動といえるでしょう。

若い感覚が交通安全運動を変えていく

お互いの活動についての理解を深めた後は「交通安全運動には法整備が最も大切だ」をテーマに学生側と県警側にわかれてディベート。賛成側からは「法整備をおこない基準を設けないとはじまらない」、反対側からは「きまりを作るだけでは人の心を縛れない」など活発な意見交換が行われました。

ワークショップ「一緒にできるこれからの交通安全のアイデアとは?」

そして最後は「ここに集まった私たちが一緒にできる、これからの交通安全運動のアイデアを出してみよう」というテーマでワークショップを実施。ディベートとは異なり、学生と警察が一緒にアイデアを出しました。
学生側からは「自分たちで使いたくなるような反射素材のアイテムを作る」や「SNSをつかって広める。文章はちょっとで写真や動画をメインにし視覚に訴える」など今どきのSNSの流行を反映した若い人視点のアイデアが出てきて、今後の活動のヒントになりそうです。
経験と知識豊富な新潟県警、そして新しい感覚を持った新潟大学。交通安全運動に新しい形が求められている今、そんな両者のコラボが新しいムーブメントを起こしていると実感しました。
今後は新潟大学、新潟県警本部、そしておもいやりライト運動の共同プロジェクトとして「新潟」発信の拠点設立も期待できそうです。

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