2回目のソーシャルアクション企画塾「ラウンジ・スウィッチ」は、7月19日に、世にも珍しいパクチー料理の専門店「パクチーハウス東京」のオーナーでもある、佐谷恭さんをオーガナイザーに迎えて開催いたしました! 自分のやる気スイッチを「ON」して、社会をちょっとだけ楽しく変えちゃおうというこの企画。今回もたくさんの方が駆けつけてくれました。
この日の集合写真は、パクチーハウス東京ではお決まりの乾杯音頭「カンパク」の掛け声で撮影しました。「今日は全員と名刺交換して、この機会が次につながるようにしたい」と宣言されていた佐谷さん。ラウンジ・スイッチを終えた今、どんな交流が始まっているのでしょう。ここでの出会いで「楽しいことが起きた!」という方、ぜひぜひ、シェアしてくださいね。
さて、2回目のラウンジ・スイッチ。まずは「足立拓巳のおもいやり発見の旅」から7月1日に無事帰還したばかりの足立拓巳が、道中で自らのスイッチが「ON」になったエピソードを披露。80日間の各地のおもいやりに出会う旅で出会った人は1,124人、走った距離はなんと1万キロ以上です。
旅では、夕暮れ時のクルマのヘッドライト点灯を自分ごととして実践してくれる人を少しでも増やしたいと、「人に会いに行く」「どこまで厚かましくなれるか」を自らに課して行動したそう。これまで、おもいやりライト運動のグッズやHPのデザインを担当してきた少しシャイで物静かな足立が、どんな経験をしてくるのか、どれだけヘッドライトの早期点灯の大切さを伝えてこれるのか、おもいやりライト事務局メンバーも、旅の途中、スカイプ会議でのアドバイスや、足立さんの本気スイッチのギアを上げる「無茶ぶり指令」で応援していたのです。
「足立拓巳のおもいやり発見の旅」での特に印象的な旅のエピソードは、「島留学」制度で知られる島根県・海士町の隠岐島前高校生たちとの出会いです。(その時のレポートはこちらから)彼らとは1日だけ一緒にすごしただけなのに、足立が島を離れるフェリーを高校生たちが見送りにきてくれたとき「わたしたち、チームおもいやりを結成しました!」と声をかけられ、リーダーや広報係などの役割まで決めていたそう。これには、「しまった! 自分のスイッチより先に、相手のスイッチが入ってしまった!」と、驚いたという足立。どうやら世には、スイッチの入りやすい人もいるようです。
旅の途中で震災が起きた熊本への訪問には、足立本人も、事務局メンバーにも、「このタイミングで訪問するのはどうか」と、悩みました。しかし、足立は九州の方から、「避けるのではなく、行って欲しい」という意見を聞いてもいたそう。足立はそこで悩みながらも「行く」と自らが決断したのです。足立が自分のスイッチを入れた結果、被害の大きかった南阿蘇で、ボランティアや被災者と交流することができたそう。足立は「どうしてもそれをするべきだと感じたら、自ら壁を越えてみたのが、結果としてよかった」と話していました。
ヘッドライトの早期点灯という、ちょっと意識するだけで、誰でも簡単にできるソーシャル・アクション。各地をめぐると、「やっているよ」「知っているよ」という人は多いけれど、現実にはまだまだ、できていない現実も見えてきたとか。それでも、足立が日本一周という行動を起こしたことで、日本全国に自分のスイッチを「ON」すること、クルマのヘッドライトを少し早めに『ON」して、夕暮れ時の安全をつくることの意識やその大切さを知る人とのつながりを残せたことでしょう。
そして、いよいよ佐谷さんのトークがスタート! 彼が9年ほど前に設立した会社は「株式会社 旅と平和」。その社名からもわかるとおり、佐谷さんは旅が好きで、学生時代には4年間のうち、のべ1年ほども旅に出ていたそうです。訪れた国は50カ国。起業を考えていた時期、たくさんの本を読んでいると、多くの経営者が旅を原点にしていることに気がついたそう。旅に出ることで、日本での生活をさまざまな視点で見ることができ、旅の経験がアイディアの源になるのだとか。あらゆる料理にパクチーが入っている世界初のパクチー料理専門店であり、人と人との交流をコンセプトにした「パクチーハウス東京」のアイディアも、佐谷さんの豊富な旅の経験があってこそだと言えるでしょう。
パクチーハウス東京は世田谷区の経堂にあります。あまりにマニアックな業態のため、一般的な飲食店の500m商圏では人が集まりません。そこで、とことんパクチーにこだわりつくす工夫で、メディアにも取り上げられるようになり、平日でも関東から、土日ともなると全国各地や海外からも人が訪れる人気店になりました。しかし、訪れる人はせっかく経堂まで来たのに、周辺を探検することなく帰ってしまうのがもったいないと、佐谷さんは感じます。そこで考え出したのが「シャルソン」。地域貢献ができて、とにかく楽しい、タイムではなく、いかに面白い経験をするかを競う、マラソン大会です。
このシャルソン、実は以前おもいやりライト運動でも「おもいやりライトシャルソン」と銘打って、開催させていただいたのです。巷のマラソン大会の仕組みを全てひっくり返したようなこのイベント。ビール腹をなんとかしようと、ランニングを日課にしはじめた佐谷さんが、「走るだけではなく、立ち止まるほうが、もっと面白い!」と、給水ポイントにグラスワインを置く、フランスのメドックマラソンを参考に考案したのだとか。ランナーがまちの誰かと話したり、お店に入ったりして面白いものを発見し、SNSやゴール後にはランナー同士でリアルに、自分の体験をシェアする、地元の魅力を再発見して盛り上がれる、走っても、走らなくてもいい、マラソン大会なのです。おもいやりシャルソンに参加された方は、「あのときは楽しかった」と、別のイベントに参加してくださったり、「またやりたい」なんて声も聞かせてもらっています。
活動の全てが楽しそうな佐谷さんですが、会社を設立したことで、社長としての重荷を感じていた時期もあったそう。ですが、「常識的に考えても仕方がない部分もあるから、やりたいことを、いかにやり、行動を連鎖させていく、変に硬くならないことを心がけているうちに、様々なチャンスが生まれてきた」と、話してくれました。
佐谷さんからのお話の後、ラウンジ・スイッチ ゼネラルマネジャーの上田壮一さんが、こうコメントしてくださいました。
「ソーシャルというと、皆、ついつい力が入り、『世界を変えたい』というのですが、『世界を変えるよりも自分を変える』と何かに書いて呼びかけたことがあったんです。自分を変えることで、変わらないように見えていた世界が全く違って見える。それがソーシャル・アクションで、ソーシャル・プロジェクトなんだと。でも、頭ではわかっていても、自分を超え、逸脱して、変えるのはすごく難しいと思っています。それを佐谷さんが、まさに場のオーガナイザーとして軽やかに実現していることに驚きました」
会場のスイッチマスター(参加者)からも「福島には酒蔵が多いので、酒蔵をめぐるシャルソンがやりたい。非常に勉強になり、感動しました」という声や、「旅行が好きなのですが、日常とは切り離されています。佐谷さんは旅と日常が一体化していて、羨ましいなと思いました」、「子供を自由に育てたいと思う僕と、常識人の妻と、子育てで意見が衝突する。佐谷家ではどうしているのか?」なんて声も。佐谷さんは活動だけではなく、もはやその存在そのもので、スイッチマスターに感動を与えたようです!
次回、ラウンジ・スイッチは9月20日。次のオーガナイザーは会社に所属しながら、「働き方をリデザインする」をテーマに活躍中の石川貴志さん。各回ごとの申し込みも可能ですので、お申し込みはまだ間に合います。ぜひお越しください!
あなたのスイッチを「ON」するラウンジ・スイッチ。心のスイッチが入ったら、夕暮れ時には早めにライトを点灯して、おもいやりの灯りで社会をちょっと素敵に変えてみませんか?
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